ブレイクスルー感染を防ぐために必要なこと
ブレイクスルー感染とは、ワクチンの接種完了後に感染すること。日本でも新型コロナワクチンの接種が進められているが、接種が優先的に進められてきた医療機関や高齢者施設での、いわゆるブレイクスルー感染事例が散見されている。
ワクチンの死亡などの重症化に対する減少効果は明らかで、これまで高い有効性があることが確認されている。ワクチンの2回目接種を完了した人は、接種を受けていない人に比べ重症割合が少なく、65歳以上の高齢者でも死亡率は低くなる。
とはいっても、「適切なマスクの着用をしない」「手指の衛生を怠る」「換気をきちんと行わない」など、感染対策を行わないでいると、感染力の高いデルタ株はたやすく人々に感染し、大きな脅威をもたらすことも分かってきた。国立感染症研究所では、「高齢者を中心とする年齢層の方が集う場をどのように安全に運営するかは運営者のみならず、利用者である市民も一体となって取り組むべき課題と言えます」と注意を呼びかけている。
屋外にでも、3つのうち1つの密でも発生すると、感染リスクが増大することが分かっている。広場などでも、常に警戒を怠らず、十分な間隔をおきながら交流を楽しむことが求められるとしている。
屋外のイベントでも、密が発生しない(最低限人と人が接触しない)程度の間隔を空けることが必要だ。大声での歓声、声援などが想定される場合は、十分な人と人との間隔(1メートル)を要するとしている。
地域の高齢者が集まるイベントでは対策が必要。
国立感染症研究所では、これまで多くの医療機関や高齢者福祉施設での新型コロナのクラスター事例の調査を行っている。
いわゆる昼カラオケ事例をはじめとする、日常生活の娯楽の場で高齢者を中心とする年齢層の集団が新型コロナに感染した複数の事例について、自治体による疫学調査の支援を行ってきた。新型コロナのデルタ株を中心とする第5波が一段落した2021年9月末に、地域によってはこれからの時期、公民館などを中心に秋祭りなどの行事が行われることが予想される。
高齢者が日常生活で集合して楽しむ場での、新型コロナ感染の例としては、「昼カラオケ」「フィットネスクラブ」「サークル・クラブ活動」などがある。
高齢者を対象とした催事場(ショッピングモールでの対面販売など)での、数週間程度の比較的長期間のイベントで、アルファ株流行下より、複数のクラスター事例の発生も報告されている。
こうしたイベントでは、地域の高齢者が集まり、参加者同士での談笑し、飲食を通した憩いの場になっていた。そのプラス面を考慮する必要がある一方で、感染した高齢者が、他の感染機会を認めなかった場合も多く、対策することが重要としている。
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