新型コロナウイルスの中和抗体とは何か?構造や種類、抗体との違いについて
国内でも新型コロナワクチン接種が始まり、接種後の免疫の効果や新型コロナウイルスを中和する「中和抗体」の開発や研究などが進められております。「中和抗体」とは何か、またどのような働きがあるのか、構造や種類についてご説明します。
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新型コロナウイルスの「中和抗体」とは
中和抗体とは、体内に入ってきたウイルスや細菌を排除し、感染を防ぐ作用のある抗体のことを中和抗体と言います。ワクチンやウイルスの免疫反応として産生されます。
現在、新型コロナウイルス感染症においては、感染を予防する「中和抗体」の開発が進んでおり、中和抗体は、発症の重症化を抑える働きや感染前にいたっては予防効果としても期待されております。
「中和抗体」の国内・海外での研究状況
現在、国内、海外でも中和抗体の研究が続けられております。
日本では、横浜市立大学の研究結果から、新型コロナウイルス感染症回復者のほとんどが中和抗体を保有していたと判明されました。
また、中国でも新型コロナウイルス感染症に感染した人のうち、94%が中和抗体を持っていると報告がありました。
出典元:新型コロナウイルス感染症回復者のほとんどが、6か月後も 抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることが明らかに
出典元:ようこそゲノムの世界へ
新型コロナワクチン接種について
製薬会社の工場で製造されるためワクチンは、安定して供給されます。新型コロナワクチン接種により中和活性した抗体を投与することができます。人工的に中和抗体が作られ、供給し続けられる環境を作りだすことで新型コロナウイルスの感染予防につながります。
しかしながら、新型コロナワクチンを接種したからといって、必ずしも中和抗体を獲得したとも限りません。
現在、ワクチン接種後もどれくらい抗体を保持できるか、また他の方への感染予防ができるかなど研究され続けております。
ワクチンを接種した人も、接種されてない人も共に生活していく上で、引き続きマスク着用など感染予防対策を継続されることをおすすめします。
「中和抗体」と「抗体」との違い
「中和抗体」と「抗体」の働きは同じです。
「中和抗体」と「抗体」の大きな違いは、ウイルスの増殖や感染症を予防・排除・中和する抗体であるかの違いにあります。
抗体のなかでもウイルスを排除する抗体を中和抗体と呼ぶので、主従関係でいえば、「抗体>中和抗体」と言われています。
「抗体」の働き
「抗体」には主に4つの働きがあります。
■中和作用:ウイルスが体内の細胞に感染するのを防ぎ、毒素を抗体で中和する働きがあります。
■オプソニン化:抗体または補体が結合し、好中球やマクロファージに取り込まれやすくします。
■補体の活性化:抗体が細菌などに結合することで、補体が活性化し、細胞を攻撃・破壊します。
■感染細胞の排除:ウイルスなどの抗原と結合した抗体が、NK細胞とも結合し、活性酸素を出し
て結合している抗体を破壊します。
「抗体」の構造や種類
抗体の構造
4本のポリペプチド鎖からなるY字型の形をしており、2本のH鎖と2本のL鎖からできています。Y字の先端部分は抗原と結合する部分にあたり、対応する異物ごとに構造が変化するため「可変領域」と呼ばれています。可変領域以外の部分は「定常領域」と呼ばれています。
上記の結合によって抗体として働きます。
抗体の種類
抗体(免疫グロブリン)には、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類に分類され、それぞれ役割も異なります。
抗体の種類についてのコラムはこちら。
新型コロナウイルスの「中和抗体検査」とは
新型コロナワクチンを接種した方、また過去に新型コロナウイルスに罹患された方で、中和抗体価をピンポイントで検出する検査のことです。
新型コロナウイルスの検査には「中和抗体検査」以外に3種類ございます。詳しくはこちら。
まとめ
中和抗体とは、体内に入ってきたウイルスや細菌を排除し、感染を防ぐ中和作用のある抗体のことであり、中和抗体はワクチンやウイルスの免疫反応として生成される抗体のことをあらわします。抗体には複数種類あり、ウイルス排除・感染防止となる中和作用のある抗体を中和抗体と呼びます。
中和抗体検査とは、ウイルスを撃退・排除し、感染防止に役立つ中和抗体が体内に存在しているかを調べる検査になります。検査後に中和抗体が存在していても、新型コロナワクチン接種をした方、されてない方との生活を共にすることが考えられますので、引き続き、マスク着用や感染予防対策を継続されることをおすすめします。