嗅覚・味覚障害はどんな症状?新型コロナウイルスのチェック
世界的に流行した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の自覚症状の一つとして、味覚異常が出現することが話題となりました。
ただし、嗅覚や味覚の障害はインフルエンザや一般の「かぜ」でも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。
しかし、突然味覚が変わってしまったらとても不安になると思います。
そこで今回は、味覚障害について詳しく解説いたします。
「味覚」とは
まず、どのようにして私たちは「味」を認識しているのでしょうか。
私たちのからだは、口にしたものの味覚だけでなく、香り、見た目、舌触りを脳で統合して、「味」として感じているのです。
味覚の受容器は味蕾(みらい)といい、口の中に10,000個程度存在しています。
その中にはさらにいくつもの味細胞が存在しますが、寿命は10日間で活発にうまれかわっています。
味細胞は甘味、塩辛味、酸味、苦味、旨味の5種類の受容体をもち、私たちに味覚の感動を伝えてくれています。
味覚の働きとしては次のようなものがあります。
1.食べ物の味を感じ、食欲を刺激する。
2.食べ物の味を弁別し、危険なものを食べないようにする。
3.唾液を分泌させる。
4.消化液の分泌を促し、消化を促進する。
5.生体に必要な成分を含んだ食べ物を選択して摂取することを助ける。
味覚障害とは
「いつもと味が違う」「味が分からない」など、味覚に異常を感じたことがある方もいらっしゃると思います。
味覚障害とはどんなものでしょうか。
味覚の異常は大きく2つに分けられます。
1.味覚低下(無味覚)
味覚の減退です。ある特定の味がわからなくなることもありますが、ほとんどは4つの味覚とも低下します。
2.異味覚
異常な味がすること。また常時「渋味」が感じられたり、口腔に異常な味を覚える。
味覚障害の原因は?
味覚は年齢、性別、生活習慣、ストレスに大きく影響され、非常に個人差が大きいものです。
そのため、味覚障害の原因も下記の通り複雑となります.
・乳頭の萎縮・消失……生理的(加齢的)、貧血などによる
・唾液分泌の低下……加齢、シェーグレン症候群などによる
・唾液中の非生理物質の排泄
・カンジダ症
・医原性の味覚低下……がん治療(放射線、抗がん剤)により、唾液腺機能が障害され分泌低下、舌乳頭が萎縮することによる
・亜鉛の不足……食物中の亜鉛と薬剤がキレートをつくり、亜鉛の吸収が障害され、味蕾細胞の若返りが障害されることによる
・降圧剤、トランキライザー、抗生物質、抗アレルギー剤等による薬剤の作用
・歯周病
・特発性、心因性
・体感異常症(セネストパチー)
亜鉛や鉄は食事にも含まれていますが、日本食は亜鉛が少なく、欧米人よりも亜鉛欠乏になりやすいといわれています。
これらのミネラル不足の状態を食事だけで改善することは難しいことが多く、サプリメントで補充することも必要になってきます。
喘息などの治療中にステロイドの吸入薬を使用することがあります。
ステロイドは非常に有効な薬である反面、カンジダなどの感染症を誘発することがあります。
薬局でこまめにうがいをするようにと説明を受けたことがある方もいらっしゃると思いますが、予防を行っても口や食道にカンジダが感染し、味覚異常が出現することがあります。その場合は抗真菌薬の服用が必要になります。
COVID-19感染症の話になりますがCOVID-19感染症で生じる味覚異常は、実は嗅覚の障害によるところが大きいという報告があります。
普通のかぜを引き起こすようなコロナウイルスも嗅覚異常と関連していることが知られていますが、他の症状がなく、嗅覚異常のみでCOVID-19陽性となることが報告されています。
ウイルスが嗅覚神経に何らかの炎症を引き起こすと考えられています。
味覚障害といっても原因は様々です。自分では判断が難しいことも多いですので、急激に味覚の変化が起こった場合は、まずは医師に相談してみてください。
いま 大切なこと
もしも鼻水や鼻づまりがないのに、急に嗅覚・味覚障害が起きたら、外出はできるだけ避けて下さい。
患者相談窓口や医療機関に相談しましょう。
嗅覚障害は自分自身で気づかないことが多くあります。
ご自身の身の回りの匂いがわかるかどうか、チェックしましょう!
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