新型コロナワクチンの効果・副反応やインフルエンザワクチンとの違い
新型コロナウイルス感染症への対策として、世界中でワクチン接種が進んでおります。日本でも医療従事者や高齢者を優先に進められ、現在では若い世代への接種もスタートしています。
2021年9月13日時点の政府による発表では、2回目の接種率が全世代で48.43%にも上り、約半数の人がワクチンを接種しています。 一方では、ワクチン接種後の副反応が報告されており、接種を懸念する声も上がっております。
この記事では、ワクチン接種にどのような目的があるのかをはじめ、種類別の効果や副反応、インフルエンザワクチンとの違いについて解説いたします。
ワクチン接種の目的
・ワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症に対する免疫が体内で作られる
・自身の発症を防ぐことができる
・仮に感染した場合にも、重症化を防ぐことができる
・自分を守るため、また家族や会社の人など身近な人への二次感染を防ぐことができる
ワクチンと感染者数の関係性について
国内の65歳以上の新規感染者数に占めるワクチン未接種・接種者の割合は以下の通りです。
⇒未接種:10万人当たり13.0%
⇒2回接種者:10万人当たり0.9%
高齢者層のワクチン接種者の感染率は、未接種者10分の1以下になっています。また、国内の65歳未満の世代では以下の通りです。
⇒未接種:10万人当たり28.7%
⇒2回接種者:10万人当たり2.4%
65歳未満の世代においても、ワクチン接種者の感染率は低い傾向です。また、新規感染者数の多くは、65歳未満のワクチン未接種者が占めています。
ワクチンの効果と副反応
現在、日本で薬事承認され、接種の対象となっているワクチンは以下の3つになります。
効果
ファイザー製 |
モデルナ製 |
アストラゼネカ製 |
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ワクチンの種類 |
メッセンジャーRNA(mRNA) |
メッセンジャーRNA(mRNA) |
ウイルスベクターワクチン |
期待されている効果 |
発症の予防、重症化の予防 |
発症の予防、重症化の予防 |
発症の予防、重症化の予防 |
有効性 |
約95% |
約94% |
約70% |
副反応
ファイザー製 |
モデルナ製 |
アストラゼネカ製 |
|
主な副反応 |
頭痛、
関節・筋肉痛、
注射部分の痛み、 疲労、発熱等
|
頭痛、
関節・筋肉痛、
注射部分の痛み、 疲労、発熱等
|
頭痛、
関節・筋肉痛、
注射部分の痛み、 倦怠感、発熱等 |
まれに起こる重大な副反応 |
ショックやアナフィラキシー |
ショックやアナフィラキシー |
ショックやアナフィラキシー |
ごく稀な副反応 |
軽症の心筋炎や
心膜炎
|
軽症の心筋炎や
心膜炎
|
血栓症、
毛細血管漏出症候群、
ギラン・バレー症候群などの脱髄疾患 |
さまざまな副反応が報告されていまが、これらのワクチンは数万人規模の臨床試験で安全性が確認されています。世界でも50億回接種されており、新たな副反応が遅れて現れる可能性は極めて低いと考えられています。
ファイザーとモデルナについては心筋炎や心膜炎が報告されていますが、若年者ではコロナに感染した場合の方が、高い頻度で心筋炎が見られる傾向があるようです。
ワクチン接種にあたっての注意事項
以下に該当する人は、ワクチンを接種できない、または注意が必要になります。接種できるか不明な場合は、医師への相談が必要です。
ワクチン接種ができない人
発熱している人(通常37.5℃以上)
重い急性疾患にかかっている人
ワクチン成分に重度の過敏症がある人
予防接種を受けるのに不適当な状態にある人
※アストラゼネカの場合は、以下に該当する人も接種不可能でございます。
SARS-CoV-2ワクチン接種後に血小板減少症を伴う静脈もしくは動脈の血栓症を起こしたことがある人
毛細血管漏出症候群の既往歴のある人
接種に注意が必要な人
抗凝固療法を受けている人、
血小板減少症または凝固障害のある人
免疫不全の人、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
心臓や腎臓、肝臓、血液疾患、発育障害などの基礎疾患のある人
過去の予防接種で、接種後2日以内にアレルギーが疑われる症状が出た人
過去にけいれんを起こしたことがある人
本ワクチンの成分に対してアレルギーが起こるおそれがある人
※妊娠・授乳中の方は、接種前に医師にその旨をお伝えください。
コロナとインフルエンザの違い
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって発症が異なります。潜伏期間や症状の現れ方、ワクチンの違いについてご説明します。
症状の現れ方と経過
新型コロナウイルス |
インフルエンザ |
|
潜伏期間 |
1~14日間 |
2~5日間 |
症状の現れ方 |
ゆるやかに進行。微熱や関節痛、倦怠感、味覚・嗅覚の異常といった症状が続く。
軽症であれば1週間ほど回復、重症化すれば高熱や肺炎などを発症する
|
38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感などが急速に現れる。
併せてのどの痛み、咳、鼻汁などの症状も見られる。1週間程度で回復するのが一般的
|
ワクチンの違い |
① mRNAと呼ばれ(ファイザー・モデルナ)、ウイルス外側のタンパク質を体内で生成するための設計図となるワクチン
②ワクチン接種によりウイルスのタンパク質が体内で作られることで、異物と見なし、免疫反応が働く
③2回の接種が必要
|
①不活化ワクチンと呼ばれ、インフルエンザウイルスの病原性をなくし、免疫に必要な一部を取り出したワクチン
②生きたウイルスが入っていないため、接種後に体内で増殖しない
③十分な免疫を作るには複数回の接種が必要
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ワクチン接種に関する相談
ワクチン接種に関する相談は、以下に問合せ可能 です。
▼接種の方法や予約等
市町村の窓口、コールセンター
▼ワクチン接種に関する一般的な質問
厚生労働省の新型コロナワクチンコールセンター
(0120-761-770)
▼ワクチン製品に関する個別具体的な問合せ
各ワクチンメーカーの相談窓口
▼接種の可否相談
医療機関、かかりつけ医
▼接種後の副反応
都道府県が設置しているコールセンター、接種を受けた医療機関
まとめ
新型コロナワクチンの接種率は向上しており、その有効性も確認されています。副反応は見られていますが、ワクチン接種により重症化、二次感染の防止効果を考えると、接種するのが望ましいとされています。
すでに感染したことがある人や、接種後のワクチン有効性を確認したい人は、中和抗体キットの活用も有効です。
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